Investigation report · 2026-10-07
ATEM 1 M/E Constellation HD で、AUX出力に任意の音声を載せて映像と同時に切り替えられるか
ご質問
- ATEM の AUX OUT に、Fairlight(内蔵オーディオミキサー)から任意の音声をルーティングできるか
- できた場合、マクロや Companion 等で映像と音声を同時に切り替え制御できるか
結論
できる
映像のマトリクスとしては使える
AUX出力には、全入力・Program/Preview・Clean Feed・メディアプレーヤー等を自由に割り当てられ、切替はクリーンに行われる(マニュアル明記)。
実機確認が必要
AUXごとに任意の音声を載せられるかは、マニュアルでは保証されていない
マニュアルに明記されている音声の割り当ては Program出力の埋め込み音声(ch3〜12)だけ。一方、開発者SDKの音声ルーティング機能は「対応する任意の入力を、対応する任意の出力へ」と出力を限定しない作りで、AUX出力が対象に入るかは機種ごとの実装しだい。実機をつないで、AUX出力が音声の割り当て先の一覧に出てくるかで判定できる。
できる(AUXに音声を載せられる場合)
映像と音声の同時切替は Companion で1ボタンにできる
Companion の ATEM モジュールに「AUXの映像切替」と「音声ルーティング(ファーム9.4以上)」の両方の操作があり、1つのボタンに並べて同時に実行できる。ATEM本体のマクロは、音声ルーティングの記録に手作業のXMLが要る回避策しか見つかっていない。
根拠
| 機能 | 内容 | 今回の目的に対して | 出典 |
|---|---|---|---|
| AUX出力(Using Outputs) | 入力・カラーバー・メディアプレーヤー・Program/Preview・Clean Feed等をルーターのように割り当て。切替はクリーン | 映像は可 | Constellation マニュアル(英語版)p.66–68 |
| Audio Output Channel Mapping | Program出力の埋め込み音声 ch3〜12 に任意の入力を2ch単位で割り当て。ch1/2はProgramミックス、ch13〜16はトークバックで固定 | Program出力のみ明記。AUXの記述なし | 同 p.68 |
| Mix Minus | SDI出力ごとに「Programミックスから特定の入力だけを除いた音」を出せる | AUXごとに音を変える唯一の明記手段。ただし任意の音声ではない | 同 p.28 |
| SDK Audio Routing | 「対応する任意の入力から対応する任意の出力へ、2ch単位でルーティング」。ルーティング元の種類に Program・各入力・AUX出力音声・Mix Minus・USB等 | 仕組みとしてはAUXも想定しうるが、機種ごとの対応範囲は記載なし | Blackmagic Switchers SDK 資料 第15章(p.765–766) |
| Companion ATEMモジュール | 「Aux/Output: Set source」「Fairlight Audio: Audio Routing」(ファーム9.4以上)。割り当て先の一覧は本体から取得 | 両方を1ボタンに載せられる | GitHub bitfocus/companion-module-bmd-atem |
| ATEM本体マクロ | AUXの映像切替は記録可。音声ルーティングはXMLを手で作成して読み込ませる回避策(Blackmagic社員の回答) | 可能だが手間が大きい | Blackmagic Design 公式フォーラム |
補足: 割り当てられるのは各入力の「生の音声」かProgram等の既成ミックスで、Fairlight の EQ・ダイナミクス処理後の入力ごとの音や、AUXごとに独立したミックスを作ることは、この仕組みではできない見込み(未検証)。
実機での確認手順(約15分)
- ATEM Software Control の音声設定で、割り当て先に Program以外のSDI出力(AUX)が出るかを見る
- 開発者SDKで、本体が持つ音声の割り当て先を全件書き出す(画面に出ない出力も含めて確認できる)
- 割り当て先にAUXがあれば、Companion で「AUXの映像切替+同じAUXへの音声ルーティング」を1ボタンに登録し、映像と音声が同時に切り替わるかを確認する
AUXに音声を載せられなかった場合の代案
- 外部で音声を載せる: 映像はATEMのAUX、音声は外部の音声マトリクス(Dante、ミキサーの出力等)から、AUXごとにエンベッダー(音声をSDIに載せる小型コンバーター)で載せる。切替は Companion から両方の機器へ同時に命令を送る。
- Mix Minus で足りる場合: 「Programから1入力を除いた音」で用が足りる用途(返し・プロンプター等)なら、ATEM単体で完結する。
出典
- Blackmagic Design「ATEM Constellation Manual」(ATEM Switchers 10.4.1 同梱)英語版 p.26–28, 66–68
- Blackmagic Design「ATEM Television Studio Manual」p.61–63(同機能の記述の比較)
- Blackmagic Design「Blackmagic Switchers SDK」Section 15 Audio Routing(p.765–766)、Section 7 Fairlight Audio Aux Output(p.589–590)
- bitfocus/companion-module-bmd-atem(src/actions/aux-outputs.ts、src/actions/fairlightAudio.ts)
- Blackmagic Forum: Change Atem Audio routing in macro