v3 20261008 020000
Investigation report · 2026-10-07

ATEM 1 M/E Constellation HD で、AUX出力に任意の音声を載せて映像と同時に切り替えられるか

対象: ATEM 1 M/E Constellation HD(最新ファーム)/調査方法: Blackmagic Design 同梱のマニュアル・開発者SDK資料(ATEM Switchers 10.4.1 同梱版)、Bitfocus Companion の ATEM モジュールのソースコード、公式フォーラム、実機(ATEM 1 M/E Constellation HD)からのSDKによる読み取り(2026-10-08・設定は変更せず)

ご質問 要するに、ATEM をスイッチャー兼マトリクスとして使えるか。

結論

できる

映像のマトリクスとしては使える

AUX出力には、全入力・Program/Preview・Clean Feed・メディアプレーヤー等を自由に割り当てられ、切替はクリーンに行われる(マニュアル明記)。

できる(実機で確認)

AUX 1〜6 のそれぞれに、任意の音声を載せられる

実機から読み取った音声ルーティングの割り当て先に、Aux1〜Aux6 の SDI 出力 × 各8組(ch1/2〜15/16)が含まれていた。割り当て元には各入力の音声に加え、Fairlight の Aux 1〜6 Mix(AUXごとの独立したミックス)も選べる。マニュアルには記載がなく、実機で初めて確認できた。

できる(実機で確認)

映像と音声の同時切替は Companion で1ボタンにできる

Companion の ATEM モジュールに「AUXの映像切替」と「音声ルーティング(ファーム9.4以上)」の両方の操作があり、1つのボタンに並べて同時に実行できる。ATEM本体のマクロは、音声ルーティングの記録に手作業のXMLが要る回避策しか見つかっていない。

根拠

機能内容今回の目的に対して出典
AUX出力(Using Outputs)入力・カラーバー・メディアプレーヤー・Program/Preview・Clean Feed等をルーターのように割り当て。切替はクリーン映像は可Constellation マニュアル(英語版)p.66–68
Audio Output Channel MappingProgram出力の埋め込み音声 ch3〜12 に任意の入力を2ch単位で割り当て。ch1/2はProgramミックス、ch13〜16はトークバックで固定Program出力のみ明記。AUXの記述なし同 p.68
Mix MinusSDI出力ごとに「Programミックスから特定の入力だけを除いた音」を出せるAUXごとに音を変える唯一の明記手段。ただし任意の音声ではない同 p.28
SDK Audio Routing「対応する任意の入力から対応する任意の出力へ、2ch単位でルーティング」。ルーティング元の種類に Program・各入力・AUX出力音声・Mix Minus・USB等仕組みとしてはAUXも想定しうるが、機種ごとの対応範囲は記載なしBlackmagic Switchers SDK 資料 第15章(p.765–766)
Companion ATEMモジュール「Aux/Output: Set source」「Fairlight Audio: Audio Routing」(ファーム9.4以上)。割り当て先の一覧は本体から取得両方を1ボタンに載せられるGitHub bitfocus/companion-module-bmd-atem
ATEM本体マクロAUXの映像切替は記録可。音声ルーティングはXMLを手で作成して読み込ませる回避策(Blackmagic社員の回答)可能だが手間が大きいBlackmagic Design 公式フォーラム

補足: 下の「実機での確認結果」のとおり、割り当て元に Fairlight の Aux 1〜6 Mix があるため、AUXごとに独立したミックスを作って載せることもできる見込み(Aux Mix の音作りの範囲は未確認)。

実機での確認結果(2026-10-08)

ATEM 1 M/E Constellation HD に LAN で接続し、開発者SDKで音声ルーティングの一覧を読み取りのみ行った(本体の設定は変更していない)。

項目結果
割り当て先(出力)Aux1〜Aux6 の SDI 出力 × 各8組(1/2・3/4・…・15/16)=48
初期状態各AUXの 1/2=Program、13/14=エンジニアリング・トークバック、15/16=プロダクション・トークバック、その他=無音
割り当て元(34種類)入力1〜10(各 1/2・3/4)、マイク、TRS、メディアプレーヤー1・2、Program、トークバック2種、Fairlight Aux 1〜6 Mix

音声・同時切替の実測(2026-10-08)

未使用の Aux6 だけを使って試験し、終了後に試験前の状態へ戻した(本体の全設定も事前にファイルへ保存済み)。入力9に 1kHz の試験音を入れ、Aux6 の SDI 出力を SDI→HDMI 変換器経由でキャプチャーし、音量を測った。

操作Aux6 の状態(本体から読み戻し)Aux6 に出た音
音声の割当だけ変更: No Audio音声 1/2 = No Audio無音
音声の割当だけ変更: 入力9音声 1/2 = Input 9 1/2試験音 −24 dBFS
(同じ割当のまま試験音を停止)同上無音 → 再開で −24 dBFS に戻る
ボタンB: 映像=黒 + 音声=No Audio を同時送信映像 = 黒 / 音声 = No Audio無音
ボタンA: 映像=入力9 + 音声=入力9 を同時送信映像 = 入力9 / 音声 = Input 9 1/2試験音 −24 dBFS

ボタンA/Bは各2回ずつ交互に実行し、毎回同じ結果。同時送信は Companion の ATEM モジュールが内部で使う部品(atem-connection 3.10.3)で行った。Companion の画面上でボタンを作って押す操作そのものは未実施(同じ部品・同じ命令のため、動作は同等と判断)。映像はキャプチャー画像ではなく本体からの読み戻しで確認。

実機での確認手順(約15分)

  1. 音声の割り当て先にAUXが出るかを確認する → 確認済み(上記)
  2. 開発者SDKで割り当て先を全件書き出す → 確認済み(上記)
  3. 映像と音声が同時に切り替わるかを確認する → 確認済み(上記)。Companion の画面でボタンを作る場合は、モジュールの「Aux/Output: Set source」と「Fairlight Audio: Audio Routing」を1つのボタンに並べる

AUXに音声を載せられなかった場合の代案

出典